舞台は江戸時代。男子のみが罹る原因不明の疫病により男子の人口が急速に減少し、社会権力は男から女へと移っていく世界を江戸城の大奥を中心に描いた作品。
男女逆転の発想がエキセントリック過ぎて、当時の「この漫画がすごい!」に見事入賞した時は素直に共感した!
徳川家の代々の将軍達や要職にあった実在の人物など、歴史上では男性である人物が女性に、女性である人物が男性に置き換えられている。
春日局が大奥を作ったことや、詳細な史実と、フィクションを巧みに織り交ぜたストーリー構成となっており、掲載誌『MELODY』での扉絵や柱にある粗筋では「男女逆転!パラレル時代劇」「これは日本の江戸時代とは似て非なる物語」と必ず記載されており、いわゆるSF作品(歴史改変SF)であると位置付けされている。
肝心の物語は史実の通りに進行しているが、各巻で主要人物にあたる人が解説を交えつつ進行役を務めているため、江戸時代の史実に疎くとも読みやすい。
原因不明の疫病の謎の解明に取り組み、原因と仮説の組み立てから検証に至るまでのストーリーは一気に読み込んで欲しいところ!
よしながふみにドロドロした世界とどんでん返しを描かせるとリアル感が半端無いと思っている人は大変おすすめな一冊です。