クロノクルセイド

クロノクルセイド (Vol.1) (ドラゴンコミックス) | 森山 大輔 |本 | 通販 | Amazon

第一次世界大戦終結後の1920年代。それはまだ現代よりも夜の闇が濃かった時代。アメリカ合衆国は大戦による軍需景気に湧き、同国に生きる人間たちはその繁栄を謳歌しながら、自らの持つ「心の闇」に捕らわれていた。好景気と投資によるにわか成金。マフィア・カジノ・禁酒法…。その光と闇に狭間に乗じて、ヒトの心の弱さを突き、暗躍する者たちがいた。悪魔と呼ばれる人外たちである。

宗教改革の時代において魔女狩りに端を発し、当時の宗派を超えて集った有志の人々によって設立された「マグダラ修道会」は「学問として魔女・魔法の本質を知る」ことと「その知識を利用し、悪しき者の災禍より人々を守り救う」事を目的とする、国家からの信頼も篤い悪魔退治(エクソシスト・悪魔祓い)を専門に行うプロテスタント系キリスト教教団である。マグダラ修道会ニューヨーク支部に在籍する、悪魔祓い専門のシスターロゼット・クリストファは、相棒であるクロノと共に激動と繁栄と闇に満ちた米国を駆け巡る。それは、かつて悪魔アイオーンによって連れ去られた弟ヨシュア・クリストファを取り戻す為。この事は2人にとって忘れえぬ大きな影でもあった。

1914年に起こった海難事故により両親を失いセブンスベル孤児院に引き取られたクリストファ姉弟は、1920年に近くの森の地下遺跡(霊廟)で自らを悪魔と名乗る少年クロノと出会う。だが姉弟はそんな事を気にする風もなく彼を遊び仲間に交えた。クロノも当初は当惑していたものの、姉弟との交流に心を開き安らぎを感じるようになる。だがクロノはかつて自らが犯した過ちとそれによって起こされた悲しみを原因として、自ら力を封じた悪魔だった。彼が解放された事でその存在はかつての仲間であるアイオーンに知られる事となり、そのために地上代行者という「力(天上の「魂の大河」アストラル・ラインを制御する力。主には治癒能力の形で発現する)を持つ存在」であるヨシュアが目をつけられることとなる。そしてアイオーンの企みによってセブンスベル孤児院は時を止められ、ヨシュアは連れ去られる。ロゼットはクロノによって辛くも被害を免れたが、ただ一人の生き残りとなってしまった。

自分たちの身に降りかかったこの災禍に対抗する術を問うロゼットにクロノは自らの持つ「悪魔の力」の解放を語る。しかし、それはロゼットがクロノの「契約者」となり、自らの「魂の時間」を彼に与えることで力を引き出すという事。すなわちクロノが本来の力を使えば使うほどロゼットの寿命が縮まっていく、という事を意味していた。ロゼットは迷わなかった。弟を助け出す術を得るため、彼女はクロノの契約者となる。そして自分を保護したユアン・レミントン牧師の属するマグダラ修道会に入り、悪魔祓いとして修行を積む事で自身の戦う術を身につけようとする。一方でクロノ自身もまたマグダラの管理下に置かれ、普段はロゼットの助手として悪魔祓いを手伝うことになる。

悪魔祓いの任務を続ける中、ロゼットとクロノは後見人であるレミントン牧師や上司であるシスター・ケイト、武器開発の「長老(エルダー)」であるエドワード・ハミルトンに見守られ、ヨシュアと同じ地上代行者で後に後輩ともなるアズマリアや宝石使い(宝石に精霊を封じ使役する能力者)サテラなどの仲間と出会い、彼らと共に世の人々に害を成す悪魔たちやアイオーン一派と戦っていく事になる。

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