「大正野郎」

大正野郎といえば、知る人ぞ知る山田芳裕の初期作品。
いま山田先生といえば『へうげもの』ですっかり有名になりましたね。

大正野郎

大正野郎のあらすじ(ネタバレ)

舞台は昭和の東京下町、平和な下宿。

煙草はゴールデンバット、趣味は切手収集、尊敬する人物は芥川龍之介。
大正浪漫をこよなく愛する大学生・平徹(たいら・てつ)の日常を描く。

下宿の管理人一家は可憐な娘・山田由貴(やまだ・ゆき)。
そして下宿の同居人の大学生・佐山次郎(さやま・じろう)。

一風変わった大学生のこだわりが強すぎる日常の一コマと
そんな彼のちょっぴり切ない恋の一幕。

まだまだ発展途上だった時代の日本の片隅で繰り広げられる
ドタバタ劇は、ただ笑えるだけでなく不思議と熱いものがこみ上げてきます。

大正野郎の登場人物

平 徹(たいら てつ)

この物語の主人公。大学生。
とにかく大正浪漫にあこがれており、自身の生活を極力大正時代の文豪風にしようとしている。
趣味:切手収集、闊歩、将棋
散髪:とにかく理容室。「芥川龍之介みたいにしてくれ!」とオーダーしパンクロックな髪型にされた時は存在意義を問われている気持ちになり走っていつもの理容室に駆け込んだ。

佐山次郎(さやま じろう)

平の隣の部屋に住む下宿人。大学生。
トレンディ。外人風の顔。
趣味:6畳の下宿部屋にムーディな間接照明やおしゃれなラグを配置
女性が大好きでよくホテルに行く。
散髪:代官山の美容室。カットモデルをしている。

山田由貴(やまだ ゆき)

平・佐山の住む下宿の大家さんの娘。24歳。
可憐。佐山いわく「ああいう子好きな男はいっぱいいるぜえ」
趣味:浴衣が似合う
好きな人:平?

大正野郎の感想・レビュー

何と言っても枠線が雑な墨なところにめちゃくちゃ味わいがあります。
そして、太陽が照る時の擬音が「ドカーっ」というセンス。
近年擬音のパイオニアといえば荒木飛呂彦というイメージですが、
山田芳裕も負けてませんよ!

エピソードの強烈さにも卓越した才能が垣間見えます。
この作品を読んで縁側でお揚げを丸ごと焼いてみた人も多数いらっしゃるんではないでしょうか。
私「少なくとも、2人」(『ソムリエ』より)

また、由貴ちゃんのために銀座に誕生日プレゼントを買いに行ったときの名台詞
「もうちょっと固体っぽさがほしいなあ」も汎用性があって気の利いたセンテンスとして
使いまくりましたよね。

大正浪漫は好きでなくとも、自分の世界にこだわりまくる平の姿勢に
誰しもが共感し若かりし頃を思い出すのではないでしょうか。

秋の夜長、スーパームーンでも見ながら今夜は『大正野郎』を読みなおしてみてはいかがでしょうか。

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