同著者作品『天 天和通りの快男児』からのスピンオフとして、同作の登場人物である“伝説の雀士”赤木しげるの高い人気を受け、彼を主役としその若き日の伝説を築き上げていく姿が描かれた作品。他の作品同様、その人気の理由は人間の内面を事細かな心理描写をもって表されているところにあり、福本作品の中で最長連載記録を打ち立てた(単行本数は『賭博黙示録カイジ』シリーズの方が多い)。
心理描写が作品の中心ということだけあって、時に遅々として物語が先に進まないこともある。著者の福本はテレビアニメ版のガイドブック上でのインタビューで「短くしたいと思っている」と語っていたものの、「鷲巣麻雀編」に至っては、作品内の設定では半荘6回の勝負であるが、決着に20年近くを費やした。2013年には決着を思わせる決定的な局面を迎えたものの、舞台は「地獄」に移り、鬼退治編に突入。麻雀は完全に中断され、地獄の屈強な鬼たちと、鷲巣たち亡者とのコミカルな戦いが約1年にわたり描かれ続けた。その後、鷲巣が地獄の幻想から目を覚まし闘牌が再開されたオーラスは約3年を費やした。「近代麻雀」2017年4月1日発売号掲載回で、序章を含めると20年に渡った「鷲巣麻雀編」が決着した。なお、担当編集者は長期連載の途中で離れていった読者の存在を認める[1]一方で「面白いアイデアを積み上げていった結果」であり、引き延ばしではないと述べている[2]。
福本は講演会において「鷲巣戦の後もストーリーは続けていく」との旨を発言しており、鷲巣戦終了がすなわちアカギ完結ではないことを示唆していたが、2017年2月12日に、この時点で残り11回が最終章であること、2018年2月1日発売号掲載回において最終回とすることが宣言され[3]、実際に完結した[4]。ただし、シリーズの完全終了というわけではなく、「近代麻雀」編集部によると「不定期に連載の続きを発表して行く用意はある」としている[1]。近代麻雀2019年5月1日発売号において、『天 天和通りの快男児』・『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』の続編となる『闇麻のマミヤ』の第0話が掲載された[5]。近代麻雀2019年7月1日発売号より本格連載開始。